リノベーション工事 工事進捗 長岡市性能向上リノベーション

性能向上リノベ 上条町の家 ①住み継ぐ想い

2024/07/30

性能向上リノベーション工事進行中の
“上条町の家”
築年数は84年です。
延床面積も80坪超えの
ボリュームある元農家住宅。

住まい方としては2世帯住宅の分類となり、
各種水廻り設備も増設する計画です。


■現場は

一部減築を行って建物形状を整えました。
見た目が整う事もありますが、
一番は構造的にシンプルになる事。
上下の耐力壁の位置が通る事で
地震に対して素直に抵抗してくれる形となります。

内部も解体され、
連続する丸太梁のリズムが小気味良い姿です。


縁側に配置された木製サッシ
美しかったのですが、劣化が進んでおり残すことは断念しました。



■お客様の想い
「コンパクトな新築を建て替えた方が安くなると思います」
お打合せの初期段階でお伝えしたことを覚えています。

それでも、
「先代から引き継いだ家を残したい」
「立派な梁材を室内空間に取り入れたい」
「広い家でのびのびと暮らしたい」
様々な思いを重ね合わせて
既存住宅の性能向上リノベーションをご選択されました。

■つくる側としての想い
古い建物を残すこと。
壊して捨ててしまわないこと。
ここには様々な視点が重なります。

「暮らす人にとって」
時間がたった建物を住み継ぐことは、
住む人にとっての“誇り”や“アイデンティティ”の形成になると思います。
近年注目されるウェルビーイング。
身体的、精神的に健康な状態であるだけでなく、社会的、経済的に良好で満たされている状態にあることの意味。
そこにも大きく関わるはず。
そのための大前提として、
地震に強く、冬暖かく夏涼しい断熱性能は備えなければなりません。


「街として」
築年数を重ねた家には「深み」があります。
人為的にはつくれない圧倒的な「個」の存在感。
それをわざわざ捨ててしまわなくたって良い。
均質なじゃない、時間がつくった風景。
「あの家は僕が(私が)小さいときからあるんだ」
そんな風に言ってもらえる
地域の記憶の想起点にもなれる と思います。

【完工後外観イメージ】



「環境として」
壊して、捨ててしまえば“建築廃材”として扱われてしまいます。
月並みですが、本当のことです。
木 は 炭素を固定化したカタマリ。

【360度カメラで撮影した小屋裏の状況】
【現況調査を反映した3Dモデル】

せっかくあるこれだけの材料を
せっかく形作られている躯体形状を
そのまま活かせた方が環境に優しいのです。
後の世代にシワ寄せが行かない様に。



こんな感じでリノベーションは進みます。